「ヘアピン、お揃いにしよ!」
月ちゃんのその一言で、小さいラメの入ったシャーベットカラーのピンを買った。
明日付けていくのを想像するだけで楽しくなる。行きも、プールも、帰りも、ワクワクが詰まっていて今から落ち着かない。
「弥衣ニマニマしてる〜、何考えてるの?」
「月ちゃんとお揃いなんてあんまり無いから、嬉しいなって」
可愛い可愛いって言ってくれる月ちゃんは、両手いっぱいにお店の紙袋を持っている。
明日使う用の日焼け止めだったり、着ていく服だったり、片っ端からお店を見ている気がする。
それに、いつものストリート系の月ちゃんの服装とは違って、クリーム色のフレアスカートを買ったらしい。
いつもならここのお店、絶対通り過ぎるのに。
「弥衣は俯かなくなったね」
「そう、かな?」
でも、最近かもしれない。クラスメイトの顔を覚えてきたのは。2-1が優しい人の集まりだって知ったのも。
文化祭の準備で話すようになった人もいるし、話しかけてもらえることも多くなった。
俯いて周りに目を向けなかったせいだったのかもしれない。



