エンドロールの先でも君を恋うから


待ってる間に、ココアでも作ってようかな。



キッチンに向かってお湯を沸かす。粉も牛乳も、最近組み合わせて美味しかった練乳もある。



優羽は甘党だから気に入ってくれるはず。



「弥衣」


「優羽どうかした?あれ、柚子アレルギーとか?」



それともバスタオルの場所、わからなかったかな。なんて顔を上げると、そこにいたのは優羽ではなく睦季で。



「あれ、睦くんだ!ごめんね、勘違いしちゃった」


「聞き間違えるくらい好きなんだね、弥衣」



からかう睦季のおかげで赤く染まった顔をパタパタと手であおぐ。



“好き”の部分は彼の言う通りで否定はできなかったのだけれど。


優羽本人がいないことに安堵し、もっといえば母がこの場にいたらどれだけ揶揄されていただろう。ここに居るのが睦季だけでよかった。



「なんだろう、声がそこまで似てるわけじゃないのに。…言い方なのかな、優羽と睦くん似てるかも」


「んじゃこれから俺が呼んだら優羽さんに聞こえて弥衣嬉しいね、よかったね」


「もう!」



この日から優羽は私の家に来るようになって、睦季とも仲良くしてくれた。もちろん二度目は菓子折りも忘れずに。



弟がいたらきっとこんな感じかな、とまあ甘やかす。二人で出掛けることもあって、こちらが妬くくらい仲が良かった。