エンドロールの先でも君を恋うから


いつまで経っても口を付けない由良くんを見て間違いだってわかった。



「先生、ブラックコーヒー好きだって言ってたよ」


「渡してくる...ありがとう桜名さん」


「由良くんもばんそうこう、ありがと」



氷無しにしておいて良かったと、自分で自分を褒めた。



もらう優しさが、あげる優しさが、痛みを伴わなくなったのはいつからだったろう。



時刻は18時半。



一番星が見えるか見えないかくらいの暗さになってから屋上へ出た。手に持っているのは夢宵桜のノートだけ。



今日満天の星が見えてもめくらない約束をしたけれど、やっぱり願った本人が見ないと意味が無いから。



ねえ、見えてる?優羽



見ていて、きっと綺麗な星が瞳いっぱいに映るから。



「あ、一番星!」


「ふ、そんな弾んだ声出したの久しぶりに聞いた」


「久しぶり、だっけ」


「あー、初めてか。表情筋無かったもんな。よし」



よし...?



ジャージを下に敷いて並んで寝転んでいたら、いきなり起き上がったかと思えば由良くんは星空に話しかけた。