エンドロールの先でも君を恋うから


メニューを指さす場所はカフェオレだったはずなのに、口から出たのはブラックコーヒーで、結果店員さんが信じた聴覚でブラックコーヒーになってしまったっていう三十分前の出来事。



俺の扱いに慣れてきたよね、と不機嫌気味に由良くんが私の手に何かを置いた。



「ばんそうこう...」


「傷深くは無いだろうけど...ほら見せて、貼るから」



どれだけ意地悪が口から出ても、最後には優しい言葉を被せてくれる。



優しさのほうが遥かに大きくて、意地悪を言われたことなんて消えてしまう。



「じゃあ、優しい由良くんにはこれあげる」


「...いつ買ったの」


「注文間違えたの聞こえてたから、二つ買っておいた」



テイクアウトの注文をした由良くんの表情が曇っていたのと、ブラックコーヒーは普段家でしか飲まないと聞いていたこと。



交換しようかと一瞬考えて、でも飲めない気がして自分が飲むアールグレイの他にカフェオレも頼んでおいた。



ブラックコーヒーを飲みたい気分なのかもしれないし、そうするとカフェオレは要らないだろうから少しの間様子を見ていたけれど。