エンドロールの先でも君を恋うから


どうしてそんなに喧嘩口調?今から殴り合いとかしないよね?



廊下の端に寄って歩く夏音くん、私に苦手意識を持っているのがバレバレだ。



外から部活動の掛け声やら陸上部のピストルの音が窓を通り抜けて聞こえる。



夏音くんもこれから部活なのかも。



...それなら由良くんも、今部活やってるのかな。それとも実行委員?



最近、二人で話す機会無いから分かんないや。



「お題、手繋げとかだったらどうしよ」



年上の彼女の有無を聞くと、ばっさりと切り捨てられる。いるわけないだろ、と。



本当に別人みたいに冷たい目をした彼の温度が伝わって、私もつられて同じ温度になる。熱平衡とはこういうものかと納得したほど。いや、違うけれど。



さっきまてまは彼の笑顔につられていたはずなのに、この展開はさすがに考えていなかった。



多分、月ちゃんと話す時よりも五割減くらいトーンが落ちている気がする。



「...とりあえず、本番までに手繋げるくらい仲良くなりましょう」


「弥衣と?」


「私以外に誰がいるの?」



それは、ウエディングドレスを着るよりも難しい課題ができてしまった夕方のこと。