ーパチリ

ん……

寝ちゃってた?

私はゆっくりと目蓋を開いく。

今,何時。彼は,もう来た?

頭をあげようとして,私は優しい重みを感じる。

まさか……

まさか過ぎる事態に,頭は完全覚醒。

けれど,体は硬直して動かない。

そんな私の耳に届いたのは,間違えるはずもない,大好きな彼の声。



「好きだよ」



その後に,悶えるような気配。

私の頭を撫でる手が,少しだけ強くなった。

え…言った? 今,好きって言った?

今度こそ,ガバッと顔をあげる。



「……っあたしも!!」

「おまっ起きて…」

「さ,帰ろっ?」



夕日さす教室。

彼が()ってくれるなら,ツンデレで隠すような言葉も……悪くない。