再愛

元カレ

地図にそってたどり着いたカラオケ店のカウンターに里子の名前を告げ部屋を教えてもらった。

部屋に入る前にレストルームで化粧を直した。

この数日でメンタルをゴッソリと持っていかれてしまった。気晴らしをガッツリしよう。

部屋に入ると10人以上はいる感じだ。
さすが、顔の広い里子！
こんな短時間で人を集めてカラオケルームを抑えるとは、さすがとしか言いようがない。

すごく久しぶりの人も、直接知らない人もいたが楽しい。
誰かしらが勝手にカラオケを歌っているのはある意味BGMになっていていい感じだ。

歌ってスッキリしよう！

里子と一緒に女性ダンスボーカルユニットの曲を入れていたらイントロが流れ出した。

二人で立ち上がって踊りながら歌うと気分が上がってくる。
もうどうでもいいやと間奏中踊りながらマイクに向かって「旦那に不倫されてまーーーーす」と言った途端ドアが開いて男性が入ってきた。

振り上げた腕をゆっくりと下げて大人しく歌い始める。

男性はニヤニヤしながら席に着くと皆んなと挨拶をしている。

何で

てか、カミングアウトしたタイミングで入ってくるってどんなバットタイミングよ。

曲が終わると、盛大な拍手が湧きあがった。

「里子、どいうこと？なんで凌太がいるの？」

里子はブンブンと顔を振って
「わたしも知らなかった。どう繋がって人が来るかわからなかったから。ごめん」

「いいよ、これだけ広い部屋だし近くに行かなければいいんだから」




と、言った先から隣には凌太が座っている。

そして、さっきのカミングアウトについてみんなから質問攻めに合っている。


そこで里子がTikTokの画像を見せて、この制服がどこの学校かをみんなに聞いたら画像検索からあっさりと判明した。

「セントエルモス学園って、パパ活やってそー」と、誰かが言った言葉に反応してしまう。

「そうなの？パパ活やってそうな高校？」

そんなに仲良くは無かったが、誰かの友達で顔はよく知ってる人だ。

「ああ、会社の人がパパ活の募集したらそこの学生が何人か来たらしい。流石に高校生はヤバいっていう理性は働いてお茶して帰したって言ってた。って、今思うとヤル気だったんだよな」

最悪、それって淫行になるんじゃないの。

話題が他にそれたところでトイレに行って頭を整理する。


高校生だとすると17歳か18歳。
もう嫌だ。

口をすすいでからリップを塗ってから大きなため息をついてレストルームから出ると、凌太が壁にもたれるように立っていた。