僕は前の学校で孤立していた。

母親が居ない事、父親が仕事をしておらず酒に溺れ手に負えないほどのクズだった事、感情も笑顔も言葉も無くした生きてるのかも分からない息子。

こんな家だからいじめの対象となった僕は毎日暴言暴力に耐えていた。

でも僕は周りが僕の為に時間を労力を費やしてくれる事が嬉しかった。

皆が僕を見てくれている。だから僕は何をされても嫌だと思わなかった。

むしろこんな毎日が続く事に小さな希望を見出していた。

そんな僕を異常だと思ったのか、気づいたら皆が僕を人間では無いものを見るような目で見てくるようになった。

気味悪がって近づかなくなった。暴言も暴力も無くなっていた。

僕は、今までの自分は普通ではなかった事に気づいた。

だから普通になれるように努力したつもりだった。

でも、もう二度と僕を見てくれる人間はいなかった。