アイサレタイ症候群

澪は実の母親の手紙を孤児院の職員から貰ったと言った。

「手紙にはね、ごめんなさいって書いてあったの。謝るくらいなら捨てるなって思うよね。でも、お母さんは、私が色盲だから捨てたんじゃなかった。お母さんは治らない病気だったんだって。それで私を育てられないからここに預けたんだって。お母さんは私を孤児院に預けてから2ヶ月後に亡くなったんだって。」

それから澪は、手紙を強く握りしめて言った。

「それから最後にね書いてあったの。涙で滲んでたんだけどね、“生まれてきてくれてありがとう。愛してる”って。それでね誤解してたってわかって、お母さんの事もっと知ろうって思えたの。真昊が家の事話してくれたから、私も向き合おうって。私もずっと誰かに一途に愛されたかった。」

澪は手紙を書いカバンにしまい、僕の目を見て言った。

「こういうのなんて言うか知ってる?」

「何?分からない。」

すると、僕の目の前に携帯を差し出した。

画面にはuraのアカウントページが開かれていた。

「uraの最新曲だよ。さっき投稿したの。後で聴いてみて。」

それから澪は僕の手を握って、

「真昊が愛されたかった分私がこれから沢山愛すから。だから、真昊は私を沢山愛してね?」

「うん。愛してる、澪。」

僕もぎこちない笑顔で、澪の手を握り返した。

澪はこの後お母さんのお墓に行く予定があるため、早めに解散をした。

僕は帰り道、イヤホンをして早速、澪(ura)が投稿したという新曲を聴くことにした。

その曲はひとつのストーリーになっていて、男の子と女の子の儚くて、悲しいラブストーリーだった。

それはまるで僕と澪みたいだった。

その曲のタイトルは、


━━アイサレタイ症候群





[完]