アイサレタイ症候群

「僕は今まで人を好きになった事がなかった。僕は普通ではないし、普通になれない。笑うのも話すのも苦手だし、愛想がない。」

「ふふっ。何それ。」

「でも、澪に出会って、話して、出掛けたりして、いつしか一緒にいても嫌じゃなくなった。むしろもっと一緒にいたいと思えるようになった。」

少し深呼吸をして、落ち着けてから遂に言った。

「…好きだ。……僕は澪が…好きだ。」

澪は目を見開き、涙を流しながら少しして微笑んだ。

「…っ嬉しい。私も…真昊が大好きっ!!」

「澪のお陰で変われたんだ。今まで本当にありがとう。これからもよろしく。」

「私も…っ真昊のお陰で色が見えなくても、生きてて楽しいってわかった。ありがとうっ!!」

太陽が街を紅く染める間、号泣する澪をあやす様に抱き締めた。