その日は短縮授業だった為早く帰り、部屋でずっと迷っていた。

その時、たまたま聞いていたuraさんの歌詞が頭に響いてきた。

── 心の声は言葉にして伝えないと届かない
の。 ‘’勇気は一瞬、後悔は一生”

僕はその時、どうしても澪に会いたくなった。

このまま会わないで卒業したら絶対に後悔する。

そんなのは嫌だ。

でも、澪の家は分からない。

記憶の中の澪の言葉を何度も繰り返し思い出した。

思い出せ。

その時、あの別れた日のことを思い出した。

「ちょっと出かけてくるから。」

優兄さんの止める声を無視して、僕は我武者羅に走った。

あの場所へ。

お願いだ。いてくれ。

そこではなかったら、もう僕には思い当たる場所がなかった。


暫く走って、辿り着いた場所は、あの日喧嘩別れしてしまった公園だった。

ベンチのある丘を登り終えると、もう先客が座っていた。