その後、何事もなく月日が経ち、冬休み前になった。

今日も僕らは空を眺めていた。

「ねね、クリスマスイブ空いてる?」

いきなり聞かれたから少し驚いた。

なんでそんな事聞くのだろうか。

何て答えようか。

でも嘘をつく必要は無い為、

「空いてる。どうして?」

「プラネタリウム行きたいの。でも一人じゃ寂しいでしょ?だから一緒に行かない?」

プラネタリウム自体初めてだし、女子と二人きりなんて知り合いにあったら勘違いされる。

「なんで僕なんだよ。家族と行けばいいだろ。」

「真昊だから行きたいの!!これ見てよ!!」

そう言って僕の目の前に差し出したのは1枚のチラシだった。

「これね、冬の流星群が見れるの!!私、流星群って見た事ないから見てみたいの!!ね?行こ?」

上目遣いで僕を見つめる澪の薄花色の目は吸い込まれそうで、咄嗟に逸らしてしまった。

「いいよ。空いてるって言っちゃったし。僕も星には興味あるから。」

「本当!?やったぁ!!ありがとう、真昊。」

「澪は空が好きなのか?」

「んー。好きかどうかは分からないけど、興味はある。なんで?」

「だっていつも空眺めてるし、曇り空でも雨でも綺麗って言うだろ?プラネタリウムとか…。だから空好きなのかと思って。」

「あ、うん。どんな空でも綺麗って思う。」

クリスマスイブは明後日だ。

僕は珍しく楽しみだった。

澪と出掛けられる事に対してなのか、初めてのプラネタリウムだからなのかは分からないが、その日の夜から楽しみで眠れなかった。