家に帰ると誰もいなかった。

ばあちゃんは地域の集まりがあるらしく、優兄さんは多分大学に行ってるだろう。

僕は冷蔵庫を漁り何か食べれるものはないかと探した。

丁度買い物に行った後なのか沢山食材が入っていた。

僕はカルボナーラを作ろうと準備していた時、玄関が開く音がした。

僕が廊下を覗くと優兄さんが帰ってきていた。

「おぉ。帰ってたのか。おかえり。」

「優兄さん、お昼食べた?僕今から食べるんだけど、カルボナーラ作る。いる?」

「食う。」

優兄さんはカルボナーラが好物だ。

僕もそれに影響されてよく作るようになった。

素早く作りテーブルに並べた。

「真昊って料理できるんだな。お前の手料理初めて食べるわ。」

僕は父親が料理しなかったから自炊を身につけた。

だから料理は男の中では得意な方だ。

カルボナーラを頬張りながら今日の話をした。

「明日も行くと思う。」

「そうか。いいじゃん。あんま無理すんなよ。」

「うん。」

僕は明日も澪や芝山先生に会えると思うと少しワクワクした。

前まではこんな事微塵も思わなかっただろう。

少しずつ何かが変わっていっている気がした。