翌日、僕は学校に行く準備はしたものの、行く勇気が出ず玄関で立ちつくしていた。

優兄さんは僕の頭に手を置いて、

「いいよ、怖いなら無理しないで。行かなくていい。」

僕はその言葉に甘えようと思った。

今まで誰にも甘えてこなかった分今日はいいよね。

ばあちゃんも笑っていいよと言い、学校へ電話してくれた。

その後、優兄さんは大学へ行き、僕はばあちゃんと買い物に行くことにした。

半ば強制的に連れ出されたけど。

近所のスーパーに入った瞬間、僕は足が動かなくなった。

また息が苦しくなって手が震えた。

人が多い。

視線が沢山ある。

怖い。

無理だ。

入れない。

僕はスーパーにすら行けないのか。

「はぁ…はぁっ。…はぁっ。」

ばあちゃんは何も言わずに僕の手を引き来た道を引き返した。

「ごめんね。辛かったね。ばあちゃんが無理に連れてってしまったから。」

僕は何も言えなかった。

ばあちゃんのせいじゃない。

僕が普通じゃないから、失敗しちゃったからなんだって言いたいのに。