その時、保健室の扉が勢い良く開かれ、優兄さんが焦った顔で入ってきた。

そして僕の所へ駆け寄ると、涙目で僕を抱きしめた。

「ごめんな、遅くなって。大丈夫か?外に車停めてあるからそこまで歩けそうか?」

僕は小さく頷きベットから降りた。

少し目眩がしたがさっきの震えはもう消えていた。

「それじゃあ、上原君ゆっくり休んでね。お疲れ様。」

優兄さんが頭を下げたので、僕も小さく頭を下げた。

女性は少し微笑んで見送ってくれた。

その微笑みは何だか優兄さんの笑った顔と雰囲気が似ていた。

不思議と心が落ち着く様な感じがした。