学校に着くと､沢山の生徒が黄色い声を上げながら昇降口に溜まっていた｡

僕は職員玄関へ行き､そこにいた先生らしき人に話しかけた｡

｢あの､今日から転校してきた上原(うえはら)と申します｡先生を呼んで貰えますか｡｣

すると､その人は少し微笑んで､

｢わかった｡少し此処で待っていてね｡｣

そう言って奥へ消えていった｡

10分程待っていると､奥から如何にも熱血教師的な男性が歩いてきた｡

｢おはよう!!初めましてだな｡俺は菅原(すがわら)だ｡今日からよろしくな｡｣

何が面白いのか大声で笑いながら自己紹介をする菅原に僕は心の中で溜息をつく｡

内心､菅原は僕の苦手なタイプ堂々の1位だ｡

僕は静かにお辞儀をした｡

その後､案内されて昇降口で自分の下駄箱の位置を確認し､職員室で色々書類を受け取った｡

｢この申込書明日提出してな｡そしたら2日3日で教科書とか届くから｡｣

どうやら前の学校と今の学校では使っている教科書が違うらしい｡

僕は小さく頷き､忘れないように鞄の分かりやすい位置にしまった｡

丁度チャイムが鳴り､朝学活が始まる時間になり､菅原に連れられて教室へ行った｡

僕の教室は3階の1番端の3年5組だ｡

廊下は夏であるのに加えて､教室から聞こえてくる先生や生徒の賑やかな声のせいで暑い空気が纏わりついてくる｡

そんな最悪な気分で教室の前に立ち､先生に呼ばれるのを待っていた｡