「噂回るのはやいな!まぁ俺モテるからさ!でも彼女増やしても体が持たないから」

と、下品に笑う慶次は、きっとイケメンだ。性格に難ありだけどね。所謂チャラ男ってやつだ。

私と萌子は友達だから普通に仲がいいんだけど、よく慶次の話を聞かされていたものだ。

派手=チャラい!の方程式を作ったのがコイツじゃないのかとさえ思える時がある。友達思いのいい奴なんだけどね。


「瑠奈は相変わらず派手だな!」

「初日だから髪は巻いてないよ?」

「ボタン一個閉めろよ。谷間見えるぞ」


そう言う慶次の顔を押しやる。覗き込むから見えるだけで、覗き込まなきゃ見えないから!

とまぁこんな感じで騒がしくも楽しい学校生活を私は送っている。


「とりあえず、パンケーキは私パスね」


萌子は両手を挙げて、また今度行くわと言っている。まさか萌子に断られるとは思っていたなかったのか、なんでなんで?と慶次は食い気味。

どうかしたのかな?そう思ったけど


「私、彼氏できたから。今日は放課後デートなの」


と衝撃的な告白をサラリとした。
どうして教えてくれなかったの!と萌子の肩を揺すれば、ぐわんぐわんしながら答えてくれる。


「一目惚れ。向こうも一目惚れらしくて、まぁ…とりあえずお互いを知るために付き合った」
 

かーーっと顔が赤くなった萌子は、恥ずかしそうに視線を逸らした。か、可愛い…!!なにその反応!!

他校の人よ。そう付け加える。