萌子は黒髪ロングの美人なお姉さんって感じ。制服もブレザーを着ていて大人っぽい。
私はシャツに手作りのリボンをつけて、カラーのカーディガンを日替わりで変えて、目がチカチカすると言われるものだ。


「せめて髪の毛だけ染めたらいいのに」

「好きなギャルモデルのNOAちゃんが、この髪色にしてるんだよ?」


赤とオレンジの間のような髪色は目立つらしい。でも毎朝鏡を見て幸せな気持ちになるくらい気に入っている。
だからやめる気は毛頭も無い。

頭髪検査等何も無いし、先生に何か言われることもない。派手だなと笑われるだけ。
とても私にあってる高校だ。

そう思うんだけど……


「高坂さんと同じクラスだ。やっぱエロいよな」

コソコソと聞こえる声。
ため息を吐くのは、私、高坂 瑠奈(こうさかるな)だ。


どうやら私はエロいらしい。
はっきり言って仕舞えば、ビッチな女だと思われているんだろう。スカートは短いし、可愛いネックレスも見せたいからシャツの胸元も空いている。でもファッションだ。

ギャル=ビッチだなんて、失礼にもほどがあるけど、この見た目のせいでそう思われてきたのも事実だからなんとも言えない。
だからって好きなスタイルを変える気もない。

分かってくれる人だけ分かってくれたらいい。そう思ってるんだけど……


「瑠奈!萌子!放課後パンケーキいこうぜ」

慶次(けいじ)!クラス離れちゃったね」

私と同様派手な黄色の髪の慶次は、1年の時の友達だ。萌子と慶次と3人でよく遊んでいた。


「あんた、さっそく新しいクラスの子に告白されてたらしいじゃない。もう噂が回ってきた」