冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす

ベビーガードの取り付け箇所をチェックしてもらい、それから私は昼食作りに取り掛かった。
今日はカレーにする予定だった。野菜はすでに煮てある。未来の分は細かくし、さらに柔らかく煮て、幼児用のカレーのもとを溶いた。豊さんと私の分は普通のルー。豊さんが食べないと言うなら夜もカレーのつもりだったけれど、無事昼でなくなりそう。

私が食事を整える間、豊さんはソファに座り、未来を見ていた。
ジャングルジムに夢中な未来は、興奮した叫び声をあげる。それを優しい目で見つめているのだ。

「あー、だだだだー」

謎の声をあげながら、未来が豊さんに向かってよちよちやってきた。豊さんは反射的に腕を伸ばし、未来の身体を支えた。未来は豊さんを見上げ、どっしりと床に座り込んだ。まるで、このまま抱っこしてくれてもいいと言わんばかりのふてぶてしさだ。

見つめ合う親子の姿に私は苦しい気持ちを抑えた。
ふたりはお互い、血のつながった存在だとは知らない。この先も知ることはない。ただ一緒に暮らすだけだ。

「さあ、もうできますよ」

私はごまかすように言った。

三人での食事は、気づまりではなかった。豊さんは一言「うまい」と感想を言ってくれ、手早くカレーを平らげてしまった。それからは未来の食べる様子を眺めていた。