冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす

どうにか会いたいと思った。
奥村社長に探りを入れたが、はっきりしない。
今彼女はどこにいるのだろう。どうも実家にはいないようだ。

世話になっている調査会社に頼み、明日海の行方を探し始めたのは彼女がいなくなってから一年後。半年も経たず、彼女の行方はわかった。

彼女は隣県のある街で暮らしていた。生まれたばかりの娘とともに。
その子は俺の子だろうか。写真で見ただけで判別などつくはずもない。何度か写真を撮らせたがわからない。

正直に言えば、なんでもよかった。俺の子でも、そうでなくてもいい。
彼女がひとりで娘を育てているなら、俺はそれを助けられる。

問題があるとすれば、この勝手な執着は俺だけの感情ということだ。彼女は俺など好きでもなんでもないだろう。
むしろ、ひと晩寝ただけで粘着をされたらたまらないに違いない。

断れない理由を作らなければならない。彼女をもう失わないために。
俺は強く思い、行動に移した。