「不意打ちなんてずるいよ……」

顔の熱がなかなか引かない。ソファの上でしばらく悶えていると、ふと目にカレンダーが映る。来週の日曜日の日付けにはハートマークが描かれていた。

「もう来週かぁ」

来週の日曜日は、私とドユンが出会った日。その日は記念日だから、ドユンとレストランで食事をする予定。

「楽しみ。デート用に新しいワンピース買おうかな」

胸を高鳴らせながら私は微笑む。ドユンも楽しみにしてくれているみたいだし、おしゃれを頑張らなくちゃ！



胸を弾ませながら一日、また1日と時間が過ぎるのを待つ。楽しみなことがあると、大変な仕事だって、家事だって、何でも乗り越えられちゃうんだ。恋の力ってすごい！

そして、ついに土曜日。明日が記念日だとはしゃぎたいところなんだけど、私の心はちょっと沈んでる。

「ごめん。急に出張になっちゃって……。日曜日のレストランの予約時間までには帰れるようにするから！」