二人はゆっくりと歩き、眠ってる私に近づいてくる。
ベットの横に置かれた椅子に腰を下ろして座る彼と、その横に立つ彼女。
目を閉じて眠る私の顔を、そろって見つめてる。
「課長補佐、ごめんなさ~い。あたしたち、二年前から付き合ってるの~」
はあ?
意識が回復しない私に向かって、キラキラOLはいきなり何を言い出すのよ。
「聞こえてないからって、大胆すぎるんじゃないのか?」
「いいじゃんべつに、本当のことなんだからぁ~」
語尾を伸ばすしゃべり方は、何回も直すように言ったはず。
でも、上司の言葉を耳にするような彼女じゃなかった。
反抗的な態度を取って逆らっても、周りの男性社員はゆるしてくれる。
同性の私には、甘えた猫なで声など通用しない。
きっと、やりずらい上司だと嫌われていただろう。
上の人もそれが分かってて、私の部下にしてるんだと考えていた。
その時、私が思ってもいなかったことを彼が話し始める……



