「そうだな」

さっき、あたしの震えにすぐさま気づいて手を握ってくれた廉くん。

その優しさと温かさに救われた。

また別のテーブルに挨拶に行くあたしたち。

「澪桜さん、先ほどのピアノお上手でしたね」

「他はなにが得意なんだい?」

なんて聞かれた。

他かぁ。

「あっ、服のデザインとか描いたりします」

「あらまぁ、それじゃあ今度うちのデザイナーとお話してみない?ぜひ澪桜さんのデザインした服を作りたいわ〜」

えぇっ、デザイナーさんと!?

恐るべし、財閥のみなさん……。

「澪桜、デザインなんて描けるんだ」

「今度廉くんにも見せるね」

「おふたりは付き合っているのかな?」

へっ。