『それともうひとつ……』

俺の声に止まった拍手。

『もしも澪桜を狙う人や傷つけるような人がいたらその時は……容赦しないので理解していただきたいです』

ニコッと微笑めば、会場のみんな顔を真っ青にして引きつった笑みを浮かべた。

澪桜を傷つけるバカがいたら命はない。

『続いて澪桜様、どうぞ』

『皆様本日大橋宮澪桜としてお会いするのは初めましてです。まだまだ未熟な私ですが、八城家にふさわしい人間になれるよう頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします』

もう充分、澪桜は八城家にふさわしいのに。

全然頑張らなくていいのに。

澪桜が頭を下げれば、さっきよりも大きな拍手が会場を包んだ。

一瞬にして、みんなから歓迎されたんだ澪桜は。

このあとの婚約パーティーも、無事進めることができるみたいでよかった。