澪桜は、俺が守る。

『八城財閥の御曹司である俺は、大橋宮澪桜を選んだんだ』

「まだ16のくせに生意気なんだ!舞桜よりも劣ってるそいつをなぜ選ぶ!?」

『澪桜のこと散々操って、挙句の果てには失声症のふりまでさせたなんて最低だなあんたら』

「失声症のふりだって……?」

「どうしてそんな可哀想なことを……」

大橋宮財閥も今日で終わりだな。

『澪桜、自分の口で言う?』

こくんっと頷いて、マイクを持った澪桜。

『私は欠落品でも操り人形でもありません。失声症でもないし、大橋宮財閥の令嬢です』

「なに言ってんの澪桜!あんたは私の双子の妹ってだけで令嬢じゃないのよ!」

『舞桜、お見合いの日私を舞桜として利用してくれてありがとう。おかげで私、廉くんとこうして婚約できた』

皮肉たっぷりの発言と、ニコッと微笑んだ澪桜。

都合良く利用したのが仇となったな。