こんな難しい曲を弾けるなんて……すごいな。

会場にいる人たちがみんな、澪桜に釘付けだ。

夜桜のみんなも、今頃見てくれてるな。

あっという間に演奏を終えた澪桜。

──パチパチパチパチパチパチっ。

『いやぁ〜素晴らしい音色でしたね!澪桜様、席にお戻りください』

「はい」

再び俺の隣に戻ってきた澪桜。

『皆様、お分かりいただけましたか?』

「大橋宮財閥も落ちたな」

「同じ親としてみっともないわ」

「日本の恥よ」

顔を真っ青にする大橋宮家。

『誰よりも努力してきたのは澪桜ちゃんだ。今まで双子の姉としてやってきたことは全部、澪桜ちゃん自身の武器になるだろう』

「私たち大橋宮家は婚約させる気なんかないわ!なんで舞桜じゃなくて欠落品なのよ!」