双子はピアノの椅子に座った。

『司会者さん、あの子にピアノの楽譜を』

『かしこまりました!』

ピアノの楽譜を双子に渡した司会者。

『曲はパガニーニによる第3番「ラ・カンパネラ」ですね!いやぁ〜世界で一番難しい曲ですね』

「っ……」

楽譜を見るなり、顔を真っ青にした双子。

他の人が双子を見てる隙に澪桜の耳元で喋った。

「澪桜、あれ日々練習してたのか?」

「うん。他の曲はもう終わったから……」

すげぇ……。

双子はおぼつかない指でピアノを弾き始めた。

──♪、♪♪……♪♪

途切れ途切れな音色。

明らかにピアノを続けてる人の音色じゃない。

「やめてちょうだい!聴いてて頭痛いわ」