『皆様混乱させてしまって申し訳ない。説明は私がいたします』

マイクで話す父さん。

俺も澪桜も母さんもマイクを置いた。

『大橋宮財閥のご令嬢は一人っ子だと世に発表していますが、実は双子の妹がいるんです。その双子の妹が、今私の息子の隣にいる大橋宮澪桜です』

チラッと隣を見れば、澪桜の手元が震えていた。

テーブルクロスで隠れていてみんなからは見えていない。

そっと澪桜の手に触れた。

俺を見上げた澪桜。

“大丈夫”

そう目で言えば、小さく頷いた澪桜。

『大橋宮財閥はこの16年、双子の妹を存在しない人間にしました。欠落品だと』

「まぁ……なんてひどいことを」

「ありえないわ……」

ここにいる人たちはみんな子供がいる。