い、今っ、手の甲にキスされた……っ!?

「ほーら、顔赤くしたらダメだよ澪桜」

「うっ……廉くんの意地悪」

でも……おかげで緊張がほぐれた。

『そしてお次は本日の主役!八城財閥の御曹司、八城廉様と婚約者の登場です』

またドアが開いて、拍手をされる。

「澪桜」

ほら、と手を差し出してくれた廉くん。

そっと廉くんの手に自分の手を乗せて中へと進む。

「おい、あんな令嬢見たことあるか?」

「いや、初めてだな……でも誰かと似てないか?」

「これから紹介されるはずよ」

拍手とともに聞こえてくるそんな声。

大丈夫……だって、廉くんがいるもん。

奥に進んで、正樹さんと絢さんと司会者がいるテーブルに到着。