「俺と約束してほしい事あるんだ」

「……約束?」

こくんっと頷いた廉くん。

「今日一日、何も考えずに俺の隣にいて」

何も、考えずに……。

まさか廉くん、あたしの考えてること悟ってる?

「もちろん礼儀やマナーとか流れを覚えるのは大事なことだけど、それ以外の余計なもの何も考えないで」

「廉くん……」

「今日の主役は澪桜なんだから」

えっ、あたし?

でもそれを言うなら……。

「それ言ったら廉くんもだよ」

「何言ってんの。今日は全世界に大橋宮澪桜の存在を、本当の澪桜を見せる日なんだから」

っ……。

「そうよ澪桜ちゃん、今日招待した財閥たちは澪桜ちゃんの存在知らないんだから」