そう言えば、なぜか目を見開いてあたしから目を逸らした廉くん。

……？

「廉もまだまだだな」

「っ父さん……」

「澪桜ちゃん、ダメよ〜無自覚でそういうことしちゃ廉くん死んじゃうっ」

「……無自覚？」

あたし、なにかしちゃった？

「っ別になんもねぇから！澪桜、気にすんなよ！」(言えねぇ……かっこいいって言われて柄にもなく照れたとか、絶対言えねぇ)

「……？うん」

あと少しで開催される婚約パーティー。

流れは覚えたけど……お母様たちが来るんだよね。

もし、なにかあったらどうしよう……。

「澪桜」

名前を呼ばれて我に返れば、廉くんと目が合った。