「そちらのドレスは澪桜様のですから、差し上げますよ」

ニコッと微笑んだヘアメイクアーティストさん。

なんてお優しい方なんだろう。

「いいんですか……!?ありがとうございます!」

「ふふっ、喜んでくれてよかったわぁ」

「おふたりとも、本当にありがとうございますっ」

あたしの好きな色で作られたドレス。

すごく嬉しい……っ。

「さっ、廉くんも待ってるだろうし行きましょ」

「そうですね」

お部屋を出てヘアメイクアーティストさんにお礼をして会場の控え室に向かう。

「澪桜ちゃん、オシャレするの好きなのね」

「はい、見た目は人の第一印象ですから」

「改めて……廉くんと婚約してくれて、ありがとう澪桜ちゃん」

絢さん……。