「っ澪桜!後ろ!」

え?

伊代ちゃんに言われて後ろを見れば、鉄パイプを振り落とそうとする男がいた。

あ……っやば、

──ガンッ!

「れ……廉くん!」

「あっぶねぇ……澪桜、無事か?」

鉄パイプを片手で受け止めて男を吹っ飛ばした廉くん。

「大丈夫!」

「ならよかった」

その後も何人も何人も倒して、いよいよ手と足の感覚がなくなってきた。

疲れたな……残るはひとり。

さっきまでの威勢はどうしたのか、完全に廉くんに怯えてる。

「どうした?俺に用があるんだろ?」

「まさか……こんな人数を武器も使わずに倒すなんてお前ら化け物かよ!」