「……ごめんなさい」

「まったく。あんまり迷惑かけないでよね」

「はい……」

それから舞桜は休み時間あたしにべったりで誰も近づこうとはしなかった。

学校が終わって、途中までは舞桜と一緒に帰る。

「あ、澪桜ー今日のレッスンは私受けるからまっすぐ離れに帰っていいよ」

「……わかった」

あたしは舞桜と一緒に住んでいない。

高校入学と同時にあたしに与えられた離れ。

本家と少し離れてるマンション。

そこに帰れば、あたし以外誰もいなくて。

「はぁ……疲れた」

あたしは大橋宮家の操り人形。

ただただ舞桜とお母様の良いように使われるだけ。

それはきっと、これからも変わらない。