少しだけ声のトーンがわずかに下がった。

廉くんを見上げれば、笑顔を貼り付けながらも目は笑ってなくて。

「俺は別に声が出なくても澪桜を選ぶけど」

「っどうして?だって会話できないじゃない」

「それにこんなこと言っちゃ悪いけど、舞桜ちゃんの方が完璧なのに……」

「舞桜ちゃんよりも劣ってる澪桜ちゃんなんか八城くんには不釣り合いだよ」

っ……。

所詮、舞桜の妹はこんなもんだよね。

いつだって、みんなあたしを見ようとしなかった。

「……なぁ、お前ら澪桜の何を知ってそんな口叩いてんの?」

「や、八城くん?」

「なんで双子だからってなんでもかんでも比べてんだよ。澪桜の努力を貶すとか人として最低だな」

っ……どう、して。

なんで、あたしを守ってくれるの?