「父さんは仕事早いからじきに婚約する。わかったらとっとと席つけよ」

「っ……」

舞桜は悔しそうな顔をすると、自分の席に戻っていった。

なんとか……助かった?

「澪桜、怖がらせた?」

ぶんぶんっと首を横に振った。

「……ありがとう」

それからは普通に授業を受けて、特になにも問題なくお昼を迎えた。

廉くんと相原くんが気を利かせてくれて、誰も来ない空き教室に移動した。

「あ!そうだ澪桜ちゃん!今日夜桜のアジトにおいでよ!」

「相原くんも夜桜なの?」

「あれ、廉から聞いてない?」

ふたりで廉くんを見れば、

「あぁ、お前の存在忘れてたわ」

「ひど!え、俺これでも副総長……」