けど……廉くんがくれた黒百合だから特別に思える。

「えへへ、大切にしよっ」

「喜んでくれてよかった。本当は花畑の黒百合見つけたかったんだけど……」

「充分だよ!誰かからお花もらうなんて初めてだから嬉しい」

そう言えば、ギュッと後ろから抱きしめられた。

廉くん……やっぱりまだ別れてからのこと気にしてるのかな。

「こんな俺を好きでいてくれてありがとう……澪桜」

「廉くん……」

体の向きを変えて廉くんと向き合えば、まるで叱られた後の子犬のような顔してて。

出会った頃はこんな顔するなんて知りもしなくて。

「なんで笑うんだよ」

「廉くんが可愛いから」

「はぁ?」

そっと廉くんの頬に触れた。