【澪桜side】

目が覚めると、見慣れたベッドにいた。

あれ……あたし帰ってきたのかな?

外はもう真っ暗で、ゆっくりベッドから降りて寝室を出た。

目を擦りながらリビングに行けば、いい匂いがして。

「あ、澪桜おはよ」

「廉くん……」

廉くんがご飯を作っていた。

美味しそうな匂い。

「これ煮込んだら出来るから、待っ……」

ぎゅうっと廉くんに抱きついた。

廉くんの匂い。

「澪桜……俺今たぶん料理の匂いしてると思うからいつもの香水の匂いしないよ?」

「ううん。する」

そっと廉くんから離れると、蓋をしてるフライパンに目がいった。