家族からの愛と恋人からの愛は全然違くて。

澪桜が花を好きな理由は……どこかで父親との思い出が消えてなかったからなんだ。

どこまでも真っ直ぐで、愛に飢えた子。

『愛されたい』

いつか俺に言ってくれたあの言葉は、澪桜の心の叫びだったんだ。

澪桜はずっとずっと……愛を、存在意味を求めていたんだな。

しばらくすると、泣き疲れたのか母さんの腕の中で眠りについた澪桜。

「あら……寝ちゃったわ」

やっべ……昨日抱きすぎたせいだな。

寝る前もまたスイッチが入って澪桜を抱き潰した。

「はぁ……子の教育は親の役目だろうに。澪桜ちゃんは大橋宮家で一番よくできているな」

頭を抱えた父さん。

「まだ16なのにたくさん知りすぎだ」

「だけどこういう所は幼いわよね」