【澪桜side】

「もう一度……俺と付き合ってくれませんか?」

少し震えてる、廉くんの手。

「廉くん……」

ずっと決めてたことがある。

廉くんが過去を話してくれたら、伝えようと思っていたこと。

「あたしと出会う前のこと……話してくれてありがとう」

「俺、ずっと待たせちゃって……ごめん」

「あたしね……廉くんと離れてる間、ずっと廉くんのこと考えてたの」

「澪桜……」

本当にずっと。

朝起きたら、隣にいるはずの廉くんはいなくて。

ひとりぶんのご飯を作って。

いつも美味しいって食べてくれる廉くんはいなくて。

「あたし、何をするにも廉くんのこと考えちゃってばかりで……嫌いになんてなれないの。あたし、廉くんのこと好きになってくばかりなの」