本命を作る気にはならなかったから、父さんが新しい婚約者を決めるまで遊びまくった。

不特定多数の女と付き合ったりもした。

でも全然情なんか湧かなくて。

そんな俺に愛想を尽かして別れを告げる女たち。

新しい婚約者が来ても、沙織みたくなるんだろうな。

「廉にもいつかできるといいな。特別だって思えるような女の子」

「だなー」

「お前興味無さすぎな」

「俺のことを本当に好きになる女がいたら、興味は湧くかもな」

なんて言ってみたり。

俺はこの先もずっと、こんな人生なんだろうな。