「黙れよ。好き?笑わせんな。今日のことは父さんに話すから」

「やだ、待って廉……!」

思いっきり振りほどいて、お土産を執事に渡して家をあとにした。

執事やメイドが沙織の男遊びを黙っていたことも後にわかって、結果沙織とは婚約破棄。

それから鮎川財閥と絡むことも一切無くなった。

中学3年の半ばには、丈がよく家に遊びに来るようになって。

「そういえばさぁ、聞いた?」

「なにが?」

「鮎川沙織、海外に留学したらしいよ」

「ふーん」

ハッキリ言ってどうでもいい。

沙織がいなくなったからか、俺は学校で女子に呼び出されるようになった。

「廉くん!その……ずっと好きでした!付き合ってくれませんか!」

「あぁ、いいよ」

家狙いで近寄ってくる女も多くて。