そして中3の時。

「廉くん〜!沙織ちゃんにお土産渡してきてくれないかしら?」

「あー、わかった」

沙織の家に行くなんていつぶりだろうか。

そんなことを考えて沙織の家に行くと、執事たちが通してくれた。

「沙織、入るぞ」

──ガチャッ。

部屋のドアを開ければ、ベッドの上で男と抱き合ってる沙織がいて。

乱れた服、いつもより派手なメイク。

「っ廉……!なんでっ」

「母さんがお土産渡してこいって。邪魔して悪かったな」

「や、待って……!」

走って俺の腕を掴んだ沙織。

この時初めて、一気に嫌悪感が押し寄せてきた。

「私が好きなのは、廉なのっ……!」