「……澪桜に話さなきゃいけないことがあるんだ」

「話さなきゃいけないこと?」

こくんっ、と小さく頷いた廉くん。

「待たせてごめん。中学の俺の話……していい?」

っ……それは、沙織さんとのことでもあって。

「うん……聞きたい」

廉くんは力なく笑うと、ゆっくり話し始めた。

あたしが知らない、あたしと出会う前の廉くんを。