【澪桜side】

「あ、あの……廉くん、そろそろ顔を上げて」

「まじですみませんっした……!」

帰ってきて数週間後。

無事廉くんの怪我も治り、家も修理してようやく落ち着いたこの頃。

かれこれもう2時間は廉くんあたしに土下座をしている。

「れ、廉くん……頭に血登っちゃうっ」

「いい……本当にごめん!」

「あたし廉くんに土下座されたくないよっ」

無理やり顔を上げさせて、ソファに座らせた。

もう……。

「その……あたし怒ってないよ?」

「いや、怒るだろ……いくら澪桜のためだったとはいえ別れたんだから……」

廉くんやみんなにすべて教えてもらった。

結局、廉くんと沙織さんは婚約してただけでなにもなくて。