アメリカの病院で、ふたりは手術することに。

「澪桜ちゃん……本当に無事でよかったわ」

「澪桜〜……っ」

「わっ、伊代ちゃん……」

泣きながら抱きしめてきた伊代ちゃんに、静かに涙を流す絢さん。

「でもどうしてあたしがいなくなったことに気づいたんですか……?」

「廉が澪桜に会いにマンションに行ったんだ。そしたら窓ガラスが割られてて」

「それで探偵を使って居場所を突き止めたんだよ」

そうだったんだ……。

「澪桜ちゃん、大橋宮家は誘拐もして殺人未遂もして拉致監禁もした。警察に届けようと思うんだがいいかい?」

「はい……だけど、お父様とは一度お話したいです」

そう言うと、正樹さんは優しく微笑んで頭を撫でてくれた。

「もちろんだよ。日本に帰ってから時間を儲けようとするよ」