「廉くんには専属執事さんいないの?」

あー……そういやいないな。

「必要ないからいないな……ここで働いてくれてる人みんな小さい頃からの仲だから専属とか決めてないんだ」

「そうなんだ」

俺の部屋に澪桜を入れて、ソファに座らせた。

「ここは廉くんの部屋?」

「そ。なんもなくてごめんな」

「ううん!綺麗な部屋だね」

ある程度掃除とか入るし。

「俺、澪桜に話しておきたいことあるんだ」

これから同棲するってなったら、なおさら。

家でひとりになんてさせたくない。

「暴走族の存在は知ってる?」

「うん、知ってるよ」

「俺、夜桜っていう暴走族の総長なんだ」

「………え?」

目を大きく見開いた澪桜。怖がられる?

それとも、拒絶される?

どちらにせよ、澪桜にとっても俺にとってもいい反応は来ない。

澪桜は……どうするんだろう。