【澪桜side】

誰もいないバルコニーに来た。

このまま……ここから落ちれば楽になれるのかな。

あたしは生まれてこなければよかった。

結局……誰からも愛されない要らない子。

柵に立って、風をあびる。

……もう朝になる。

ずっと暗闇にいたから、朝日がまぶしい。

もう、この世界ともおさらばしよう。

「あたしは要らない子」

下を見れば、たくさんのシロツメクサがあった。

シロツメクサの花言葉は約束と幸福。

約束……守れなかった。

ゆっくり身体を傾けて、足が柵から離れてあたしの身体は落ちてゆく。

これで、楽になれる……。

──ガシッ!