最後に、あたしの名前を呼んでくれて。

お父様はあたしから離れると、部屋から出ていった。

もうここに来てどのくらい経ったんだろう。

あたしは産まれてこなきゃよかったんだ。

誰からも必要とされない。

そんな要らない子。

実の家族にも産まれてきたことを否定された。

あたしは……愛なんてものとは程遠い。

だからもう……いいよ。

このまま……この暗闇で終わらせる。

人はトラウマに再びあって、長時間そこにいたらおかしくなるんだね。

昔から暗い所が怖かったから、思考回路が働いてくれない。

最後に……廉くんに会いたかった。

「あたしは……要らない子」