目を開けると、相変わらず真っ暗だった。

……思い出した。

物心がつくまでお父様はあたしに優しかった。

お母様より愛してくれた。

なんで忘れてたのかな……?

なんで冷たくなったのかな。

今のお父様は、何を思ってるの……?

──ガチャッ。

暗くてわからないけど、部屋に誰か入ってきた。

「……だ、れ?」

「……死なれても困るからな」

お父様……?

電気もつけずにあたしのそばに来た。

口元になにかをつけられる。

「パンだ。食べろ」

言われた通りにパクッと食べた。